タメ口と「です・ます」の使い分け:丁寧語とくだけた日本語
日本語の日常会話には、「です・ます」を使う丁寧な話し方と、友達どうしで使うタメ口(普通体)の2つのスタイルがあります。どの文もどちらかのスタイルで話すことになるため、いつ切り替えるかを知ることは、単語を覚えるのと同じくらい大切です。この記事では、2つの話し方の違い、相手による使い分け、よく使われるくだけた言い方をまとめました。日本語を学ぶ方はもちろん、外国人の友人や同僚から「いつからタメ口でいいの?」と聞かれたときにも役立ててください。
意味は同じ、距離感が違う
丁寧な話し方(丁寧語、「です・ます体」)は、文末に「です」や「ます」をつけます。くだけた話し方は、動詞や形容詞の普通形を使います。伝える内容は同じで、変わるのは相手との距離感です。
| 意味 | 丁寧 | くだけた言い方 |
|---|---|---|
| 食べる(現在・未来) | 食べます | 食べる |
| 否定 | 食べません | 食べない |
| 過去 | 食べました | 食べた |
| 過去の否定 | 食べませんでした | 食べなかった |
| 形容詞 | 高いです | 高い |
| 名詞 | 日曜日です | 日曜日(だ) |
| 質問 | 行きますか? | 行く? |
学習者がつまずきやすい点が2つあります。ひとつは、くだけた会話では名詞のあとの「だ」を省くことが多く、つけると文によってはきつく、断定的に聞こえること。もうひとつは、くだけた質問では「か」をつけず、語尾を上げて聞くのが一般的なことです。「行くか?」は乱暴に聞こえる場合があります。日本語を母語とする人には自然なことですが、教科書だけで学んだ人は意外と知らないポイントです。
どんな相手にどちらを使うか
- 丁寧な話し方:初対面の人、お店の人、先生、あまり親しくない年上の人、そして職場のほとんどの人、特に取引先や上司・先輩。
- くだけた話し方:親しい友人、家族、パートナー、子ども、打ち解けた同年代の人。同年代の同級生や同僚とタメ口になるまでの早さは、職場や地域、人によってさまざまです。
迷ったら丁寧に話すのが無難です。少し丁寧すぎて相手を怒らせることはまずありませんが、相手によっては、早すぎるタメ口が失礼、またはなれなれしいと受け取られることがあります。期待される話し方は職場や地域、世代によっても違うので、周りの人どうしの話し方をよく観察するのがいちばんです。
切り替えるタイミング
日本語の人間関係は、丁寧な話し方から始まり、親しくなるにつれてくだけていくのが一般的です。切り替えの目安には、次のようなものがあります。
- 相手に合わせる。同じくらいの立場の人がタメ口で話しかけてきたら、こちらも合わせてかまわないことが多いです。
- 相手からのひとことを待つ。「タメ口でいいよ」「敬語じゃなくていいよ」と言ってもらえたら、切り替えの合図です。
- 混ざっていても大丈夫。基本は「です・ます」で話しながら、「そうなんだ」「すごい!」のような相づちだけくだけた言い方になることはよくあり、親しみのある印象になります。
- 上下関係は残る。年上や目上の人とは、仲よくなってからも丁寧な話し方を続けることが多く、相手だけがタメ口で話すこともよくあります。
外国人の友人や同僚と話すとき、相手がずっと「です・ます」なのは、距離を置いているのではなく、切り替えのタイミングがわからないだけかもしれません。こちらから「タメ口でいいよ」と声をかけてあげると、ほっとしてもらえることもあります。
よく使われる縮約形
くだけた会話では、音を縮めた言い方もよく使われます。日常会話やドラマ、アニメで頻繁に耳にするものです。
- 「〜ている」→「〜てる」:何してる?
- 「〜てしまう」→「〜ちゃう」:全部食べちゃった。
- 「〜ではない」→「〜じゃない」:学生じゃない。
- 「〜なければ」→「〜なきゃ」:もう行かなきゃ。
- 「〜ておく」→「〜とく」:予約しとく。
- 「〜という」→「〜って」:明日休みだって。
「じゃない」や「〜てる」などは、日常会話では「学生じゃないです」「住んでます」のように丁寧な文の中でも使われます。ただし、改まった文章やかしこまった場面では、縮めない形を使うほうが安心です。
敬語との違い
実は「です・ます」は、敬語のうちの丁寧語にあたります。敬語にはさらに、「いらっしゃる」のように相手を高める尊敬語や、「申す」「伺う」のように自分を低める謙譲語があります。これらは主に、仕事でお客様や取引先、目上の人と話すときに必要になるもので、日常生活なら「です・ます」がしっかり使えれば十分です。次のステップに進みたい方は、仕事で使う敬語のガイドをご覧ください。
講師と一緒に両方のスタイルを練習する
教科書では主に丁寧な話し方を学ぶため、くだけた日本語は聞き取れても自分では話せない、あるいはその逆、という学習者は少なくありません。ネイティブ講師となら、仕事や初対面の場面を想定した丁寧な会話と、友達と話すようなくだけた会話の両方を練習できます。Hanabuddiesのオンラインレッスンでは、一人ひとりが実際に出会う場面に合わせて、自然にスタイルを切り替える練習ができます。