日本語のアクセント(ピッチアクセント)とは?しくみと身につけ方
日本語のアクセント(ピッチアクセント)とは、単語の中の音の高い・低いのパターンのことです。日本語には英語のような強弱のアクセントはなく、その代わりに、単語ごとに音が下がる位置が決まっています(下がらない単語もあります)。東京の標準的な日本語では、「箸」は高く始まって下がり、「橋」は低く始まって上がります。アクセントを間違えても、文脈があるので通じなくなることはほとんどありませんが、正しいアクセントで話すと、ずっと自然で聞き取りやすくなります。この記事では、日本語を学ぶ方に向けて、アクセントのしくみと身につけ方を紹介します。外国人の友人や同僚に日本語のアクセントを説明したい方にも役立つ内容です。
アクセントのしくみ
拍(だいたいかな1文字分の音の長さ)ごとに、高いか低いかを考えます。東京の日本語では、1拍目と2拍目の高さが必ず違い、単語の中で一度下がった音はもう上がりません。単語によって違うのは、どこで下がるかです。基本のパターンは4つあります。
| 型 | 下がる位置 | 例 |
|---|---|---|
| 平板型 | 低く始まって上がり、助詞が付いても下がらない | 飴(あめ):あめ、あめが |
| 頭高型 | 1拍目だけ高く、あとは低い | 雨(あめ):あめ |
| 中高型 | 上がったあと、単語の途中で下がる | 卵(たまご):たまご |
| 尾高型 | 最後まで高く、助詞で下がる | 橋(はし):はしが |
よく知られている例が「箸」(はし)、「橋」(はし、助詞で下がる)、「端」(はし、助詞が付いても高いまま)です。「が」や「を」などの助詞が続くと、違いがいちばんはっきり聞こえます。
アクセントは本当に大切?
通じるかどうかという点では、それほど大きな問題ではありません。アクセントが原因で単語を聞き間違えることはまれで、地域によってもアクセントは違います。たとえば関西の日本語はかなり違うパターンを使います(関西弁と日本の方言もご覧ください)。大切なのは、聞こえ方です。多くの単語でアクセントがずれていると、英語の強勢の位置がずれたときのように、外国語らしく、少し聞き取りにくい話し方になります。日本語で働く方、発表をする方、通訳を目指す方は、取り組む価値があります。
アクセントの身につけ方
- 話す前に聞く。まずは知っている短い単語で、音の高さに気づく練習をします。最初は聞き分けられない方が多いですが、それは普通のことで、練習で必ず上達します。
- 新しい単語と一緒に覚える。辞書やアプリの多くにはアクセントの型が載っています。単語カードに加えるときに一緒にメモしておけば、あとで覚え直す必要がありません。
- シャドーイングをする。ネイティブの音声のすぐあとに短い文をくり返し、音だけでなくメロディーをまねします。
- 自分の声を録音する。お手本と聞き比べます。多くの人は、録音して初めて自分の間違いに気づきます。
- 単語だけでなくフレーズで練習する。複合語や助詞が付いたときにアクセントは変わるので、「はしをわたる」のようにフレーズ全体で練習しましょう。
アクセントの土台になる母音、長い音、リズムについては日本語の発音ガイドで説明しています。
講師と練習する
アクセントは、聞き取れないうちは自分で直せないため、一人で直すのが難しい分野です。オンラインレッスンでは、ネイティブ講師が単語を2通りに発音して違いを聞かせたり、原稿にアクセントの印を付けたり、会話の中でずれたときにやさしく止めて直したりできます。自己紹介や仕事でよく使う言葉など、実際に使う単語にしぼって短いレッスンを続けると、いちばん早く上達します。