忙しい大人のための日本語学習ルーティン
大人の学習者が日本語の勉強をやめてしまう理由は、日本語が難しすぎるからではなく、仕事や家庭、毎日の忙しさに押し出されてしまうからであることがほとんどです。必要なのは強い意志ではなく、忙しい週でも続けられるくらい小さな習慣と、勉強を前に進めてくれる決まった予定です。この記事では、自分のスケジュールに合わせて調整できる、シンプルな1週間の学習プランを紹介します。日本語を学ぶ方はもちろん、外国人の同僚や友人の学習を応援したい方にも参考になる内容です。
長く、たまにより、短く、毎日
毎日20分の勉強は、日曜日にまとめて3時間勉強するよりも効果があります。記憶は、間隔をあけて何度も復習することで定着しやすく、短い時間なら毎日確保するのも簡単です。忙しい日に10分しかなければ、10分で十分。1回ごとの勉強よりも、習慣を続けることのほうが大切です。
通勤、朝のコーヒー、夕食のあとなど、すでに毎日していることと勉強を結びつけるのも効果的です。時間と場所が決まっていれば、「勉強しよう」と決める必要がなく、自然に始められます。
1週間のプラン例
平日は1日20〜30分、週に1回のレッスン、週末は少し長めの時間を想定したプランです。生活に合わせて自由に組み替えてください。
| 曜日 | テーマ | 内容 |
|---|---|---|
| 月曜日 | 復習 | 単語カードの復習(10分)と、先週のレッスンのノートの見直し。 |
| 火曜日 | 聞く | 単語カードのあと、学習者向けのポッドキャストや動画を1本。1回目は大意をつかみ、2回目はスクリプトを見ながら聞きます。 |
| 水曜日 | レッスン | 週1回の講師とのレッスン。今週言いたかったのに言えなかったことを1つ持っていきましょう。 |
| 木曜日 | 新しい単語 | レッスンで出てきた役に立つ単語を単語カードに追加し、その単語を使って3つの文を書きます。 |
| 金曜日 | 読む | 単語カードのあと、レベルに合った多読用の本や短い記事を読みます。 |
| 週末 | 楽しむ・アウトプット | ドラマ、ゲーム、日本のレシピでの料理など、日本語で好きなことを。そのあと、それについて短い日記を書きます。 |
すきま時間を活用する
- 通勤時間:電車では単語カード、運転中や歩いているときは音声を。
- 待ち時間:列に並ぶ数分間で、単語カード10枚は復習できます。
- スマートフォン:1週間だけ表示言語を日本語にしてみる、日本語キーボードを追加して買い物リストを日本語で書く、など。方法は日本語入力の記事で紹介しています。
- ひとりごと:料理や散歩をしながら、自分のしていることを日本語で説明してみましょう。少し照れくさいですが、とても効果があります。
週1回のレッスンが学習の軸になる理由
アプリや独学は自由に進められますが、それは同時に、簡単にさぼれるという弱点でもあります。決まった時間のレッスンは相手のいる約束なので、休みにくくなります。さらに、1週間のほかの勉強にも目的が生まれます。レッスンに備えて復習し、レッスンで聞きたいことを集めるようになるからです。
講師は、何が上達のさまたげになっているかにも気づけます。忙しい学習者の多くは、限られた時間を間違ったことに使いがちです。たとえば、本当に必要なのはすでに知っている単語を口に出す練習なのに、新しい単語ばかり増やしてしまう、といったケースです。それぞれの学習法の得意分野については、日本語レッスンと語学アプリの比較記事をご覧ください。
測れる目標を立てる
「日本語がうまくなりたい」という目標では、何をすればいいかがはっきりしません。期限と達成の基準がある目標なら、計画が立てやすくなります。
- 今月末までに、自己紹介と仕事の話を2分間できるようになる。
- 次の日本旅行で、レストランで注文して質問できるようになる。
- 2週間でひらがなとカタカナをすべて読めるようになる。
- 決まった試験日にJLPTの目標レベルに合格する。
数週間ごとに目標を見直しましょう。遅れているときは、目標と計画のどちらもあきらめるのではなく、どちらかを小さくします。
うまくいかない週があっても
予定どおりにいかない週は、誰にでもあります。そんなときは、いちばん小さな形で習慣を続けましょう。単語カード5分でも、ポッドキャスト1本でもかまいません。休んだ分を翌日に取り戻そうとせず、いつものペースに戻すだけで大丈夫です。1年後に上達している人は、1日も休まなかった人ではなく、休んでも必ず戻ってきた人です。
どのくらいの期間がかかるか気になる方は、日本語の習得にかかる時間の記事で、目標別の目安を紹介しています。