自然な速さの日本語を聞き取るコツ
日本語は読めるのに、ネイティブの自然な速さの会話になるとついていけない。そんな学習者はたくさんいます。解決策は、聞く力を独立したスキルとして鍛えることです。自分のレベルより少し上の音声を毎日聞き、実際の会話で音が変化したり短くなったりするしくみを学び、スクリプトで聞き逃した部分を確認し、自分が返事をしなければならない会話で練習しましょう。集中して練習すれば、多くの学習者が2、3か月で違いを実感します。この記事では、日本語を学ぶ方に向けて、話し言葉が速く感じる理由と対策を紹介します。日本語を教える方にも参考になる内容です。
話し言葉の日本語が聞き取りにくい理由
- 一定のリズム。日本語はすべての拍(モーラ)をほぼ同じ長さで発音し、単語の切れ目を示す強いアクセントがありません。そのため、ひと続きの音の流れのように聞こえます。
- 縮約形。自然な会話では、「している」が「してる」、「しなければ」が「しなきゃ」、「ではない」が「じゃない」のように短くなります。
- 省略。文脈でわかる主語、目的語、助詞はよく省かれます。
- 動詞が最後に来る。何が起きたのか、肯定か否定かが、文の最後までわからないことがよくあります。
- 同音異義語。同じ音の言葉が多く、意味を選ぶには文脈が必要です。
- 文字から学んできた。読んで語彙を覚えた人は、紙の上ではわかる言葉も、話す速さでは聞き取れないことがあります。
覚えておきたい縮約形
| 書き言葉 | 話し言葉 | 英語 |
|---|---|---|
| している | してる | is doing |
| しておく | しとく | do in advance |
| してしまった | しちゃった | ended up doing |
| しなければ(ならない) | しなきゃ | have to do |
| と言っていた | って言ってた | said that |
| のです | んです | (explanatory) it’s that |
| わからない | わかんない | don’t understand |
効果的なリスニングの習慣
- 自分のレベルより少し上の素材を選ぶ。半分もわからなければ難しすぎ、すべてわかるなら簡単すぎます。学習者向けのポッドキャスト、YouTubeチャンネル、日本語字幕つきのドラマなどがおすすめです。
- まずは何も見ずに1回聞き、聞き取れたと思う内容をメモします。
- スクリプトや日本語字幕で確認する。聞き逃した部分を見つけ、その原因を考えます。新しい言葉か、縮約形か、知っているのに音で気づけなかった言葉か。
- はっきり聞こえるまで聞き直す。そのあと、1文流すごとにすぐ繰り返すシャドーイングで、リズムをまねしましょう。
- やさしい素材をたくさん聞く。これとは別に、散歩や通勤中などにやさしい素材を長めに聞き、日本語の音に慣れましょう。
週に1回長時間聞くより、毎日20〜30分聞くほうが効果的です。素材選びのヒントはアニメ・ドラマ・ポッドキャストで日本語を学ぶ方法で紹介しています。
語彙は音で覚える
単語カードに言葉を加えるときは、音声も入れて声に出して覚えましょう。「よろしくお願いします」「お疲れさまです」のような決まった表現は、ひとかたまりで聞こえるので、まとめて覚えるのがおすすめです。アクセントも役立ちます。「はし」が高さによって「箸」にも「橋」にもなると知っていれば、より注意深く聞けるようになります。日本語の発音ガイドもご覧ください。
実際の人と練習する
録音は止められますが、会話は止められません。会話の中で聞くということは、次に来る言葉を予測し、わからなければ聞き返し、すばやく答えることでもあります。ネイティブとの定期的な会話練習は、録音では身につかないこの力を育てます。すぐに使えるように覚えておきたいフレーズです。
- もう一度お願いします。
- もう少しゆっくり話してもらえますか。
- 〇〇って何ですか。
- つまり、〇〇ということですか。
海外で会話練習をする方法は日本語の会話練習で紹介しています。
JLPTの聴解対策をしている方へ
試験の聴解には、音声の前に選択肢を読む、会話の流れが変わるポイントを聞き取るなど、独自の問題形式と解き方があります。詳しくはJLPT聴解のコツをご覧ください。
講師ができること
講師は、ついていけなくならない範囲で少し速めに話し、だんだん自然な速さに近づけていくことができます。また、どの縮約形や音を聞き逃しているかを具体的に指摘できます。オンラインレッスンでは、聞き取れなかった音声を持ち込んで、一緒に確認することもできます。