日本の会社で働く最初の1週間:自己紹介・あいさつ・質問のしかた
日本の会社での最初の1週間は、仕事そのものよりも「人」が中心です。チームのメンバーと知り合い、だれが何を担当しているかを覚え、学ぶ姿勢を見せること。それには完璧な日本語は必要ありません。わかりやすい自己紹介、場面に合ったあいさつ、そしてメモ帳があれば十分です。日本で働き始める方はもちろん、外国人の新メンバーを迎える側の方にも参考になる内容です。
会社によって大きく違います
歴史ある大企業と、スタートアップや外資系企業とでは、最初の1週間の過ごし方がまったく違うこともあります。英語が日常的に使われていたり、雰囲気がずっとカジュアルだったりする職場も珍しくありません。ここで紹介するのはよくある傾向であって、決まりではありません。実際のやり方は、上司や人事担当者、教育係の先輩に確認するのがいちばんです。職場文化の全体像については、日本の職場文化の記事もご覧ください。
チームへの自己紹介
初日の朝、チームや朝礼の場で自己紹介を頼まれることがあります。たいてい1分以内の短いもので、自分をアピールするよりも、親しみやすさと謙虚さが伝わることが大切です。基本の流れは次のとおりです。
- あいさつと名前:「本日からお世話になります、スミスと申します。」
- 所属:「営業部に配属になりました。」
- 簡単な経歴:出身地、前職、趣味などを1〜2文で。
- 謙虚な締め:「ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、一日も早くお役に立てるよう頑張ります。よろしくお願いいたします。」と言って、おじぎをします。
声に出して何度か練習しておきましょう。文法の細かい点よりも、明るくはっきりした自己紹介のほうがずっと印象に残ります。
一日のあいさつ
あいさつは職場の一日のリズムをつくります。毎日きちんと続けることが、職場になじむいちばん簡単な方法です。
| 場面 | あいさつ | ポイント |
|---|---|---|
| 出社したとき | おはようございます | 周りの人に聞こえるように、はっきりと。 |
| 社内ですれ違ったとき | お疲れ様です | 社内チャットや社内の電話の書き出しにも使います。 |
| 部屋に入るとき | 失礼します | 会議室や上司の部屋に入るときに。 |
| 外出するとき | 行ってまいります | 周りからは「行ってらっしゃい」と返ってきます。 |
| 戻ったとき | ただいま戻りました | 「お疲れ様です」「お帰りなさい」と返されることが多いです。 |
| 退社するとき | お先に失礼します | 周りは「お疲れ様でした」と返します。 |
なお、「ご苦労様です」は本来、目上の人が目下の人をねぎらう言葉とされています。上司や先輩には使わないほうが無難で、だれに対しても「お疲れ様です」を使えば安心です。日本語を母語とする人には当たり前でも、学習者には意外と知られていないポイントなので、外国人の同僚にはひとこと伝えてあげると親切です。
質問のしかた
最初の週に何もかもわかっている人はいません。推測で進めるより、聞いたほうがずっと良い結果になります。次のような工夫をすると、聞くほうも答えるほうも楽になります。
- まずは自分で調べる。マニュアルや共有フォルダに答えがないか確認します。
- タイミングを選び、丁寧に切り出す。「お忙しいところすみません。〇〇について伺ってもよろしいでしょうか。」
- 小さな質問はまとめて聞く。数分おきに声をかけるより、相手の負担が少なくなります。
- 理解を確認する。「〜という理解で合っていますか。」
- だれに聞けばよいか聞く。「この件は、どなたに伺えばよろしいでしょうか。」
メモを取る
日本の職場では、新しい人はメモを取り、同じことを何度も聞かないようにすることが期待される場合が多くあります。ノートやメモ用のファイルをいつも手元に置きましょう。目上の人との打ち合わせでは、「メモを取ってもよろしいでしょうか。」と一言断ると丁寧です。書き留めておきたいのは、次のようなことです。
- 名前と担当:読み方も一緒に。簡単な座席表を描いておくと便利です。
- 社内用語や略語:どの会社にも独自の言葉があり、辞書にはまず載っていません。
- 手順:経費精算、会議室の予約、電話の使い方など。
- 報告の相手と方法:何をだれに、口頭・メール・チャットのどれで伝えるか。
入社後の流れ
受け入れの形は会社によって大きく異なります。春に入社する新卒社員は、配属前にまとまった研修を受けることがよくあります。一方、中途採用の場合は最初からチームに配属され、メンターや教育係の先輩のもとで仕事をしながら覚えていく(OJT)ことが多いでしょう。
最初の数日は、人事関係の手続き、パソコンやアカウントの設定、名刺の手配などがあるかもしれません。必要な書類や手続きは会社や個人の状況によって異なるので、人事の案内に従い、わからないことは遠慮なく確認しましょう。ランチに誘われたり、歓迎会が開かれたりすることも多く、参加すると同僚と打ち解けるきっかけになります。
外国人の新メンバーを迎える側は、社内用語の一覧や「困ったときにだれに聞けばいいか」を最初に伝えておくだけでも、大きな助けになります。
ネイティブ講師と入社前の準備を
初日の前に少し練習しておくだけで、気持ちがずいぶん楽になります。Hanabuddiesのネイティブ講師は、自己紹介の原稿づくりとリハーサル、職場のあいさつや丁寧な質問のしかたの練習、不安な場面についての相談まで、受講者に合わせてお手伝いします。会話中心のオンラインレッスンなので、自信を持って初日を迎える準備ができます。