日本語でプレゼンをするコツ:構成と使えるフレーズ集
日本語でのプレゼンテーションは大きな挑戦に感じられますが、実は前もって準備しやすい話し方のひとつです。話す内容は事前に決められますし、始め方・つなぎ方・終わり方の定型表現を押さえれば、それだけで流れがぐっと整います。この記事では、構成、場面ごとのフレーズ、質疑応答、スライド作り、練習方法を紹介します。日本語で発表する方はもちろん、外国人の同僚の発表準備を手伝う方にも役立つ内容です。
わかりやすい構成
多くの場面で使いやすいのは、次の3部構成です。
- 導入:お礼、自己紹介、テーマの提示、全体の流れの説明。
- 本論:2〜3つのポイントを、数字や具体例などの根拠とともに説明します。
- 結論:まとめ、提案や今後の進め方を伝え、質疑応答に移ります。
ビジネスの発表では、結論を先に伝えると聞き手が理解しやすくなります。「結論から申し上げますと、」と前置きすれば、聞き手はゴールを知ったうえで詳細を聞くことができます。ただし、営業の提案、社内報告、学会発表などで期待される形は異なるので、職場の先輩にふだんのやり方を聞いてみるとよいでしょう。
始めのフレーズ
よくある始め方の例です。
「本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。営業部のスミスと申します。本日は、新サービスの導入計画についてご説明いたします。」
続いて、「本日は、大きく3つのポイントについてお話しします。」と全体の流れを伝えます。チーム内の気軽な共有なら、「お疲れ様です。〇〇について共有します。」くらいのほうが自然なこともあります。場の雰囲気に合わせて、丁寧さを調整しましょう。
話の道しるべになるフレーズ
「今どこの話をしているか」を示す言葉は、聞き手にとっての地図になります。第二言語で話すときは特に大切で、たとえ一文がうまく言えなくても、全体の流れは伝わります。
| 表現 | 使う場面 |
|---|---|
| まず、〜についてご説明します。 | 最初のポイントに入るとき。 |
| 次に、〜を見ていきます。 | 次の話題に移るとき。 |
| こちらのグラフをご覧ください。 | 資料に注目してもらうとき。 |
| ここまでをまとめますと、 | 途中で要点を整理するとき。 |
| 最後に、今後の予定についてお話しします。 | 締めくくりに入るとき。 |
| 次のスライドをお願いします。 | ほかの人にスライドを操作してもらうとき。 |
終わりのフレーズ
要点を1〜2文でまとめたら、「以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。」と締めくくります。そのあと、「何かご質問はございますか。」と質疑応答に移りましょう。
質疑応答の乗り切り方
学習者がいちばん不安に感じるのが質疑応答です。次の流れを覚えておくと落ち着いて対応できます。
- お礼を言う。「ご質問ありがとうございます。」と言うことで、考える時間も少し生まれます。
- 質問の意味を確認する。「〜ということでしょうか。」と、自分の言葉で言い直して確認するのは自然で、丁寧な対応です。
- 聞き取れなければ聞き返す。「恐れ入りますが、もう一度お願いできますでしょうか。」
- わからないときは正直に。「申し訳ございません。その点は確認して、後ほどご連絡いたします。」と伝え、必ずあとで連絡しましょう。
会場が静かでも、気にしすぎる必要はありません。日本では、発表後に個別に質問しに来る人も多く、役職の高い人が最初に発言するのを待つ場合もあります。質問が出ないことが、発表の失敗を意味するとは限りません。
日本語のスライドを作るときのポイント
- 日本語用のフォントを使う。欧文専用のフォントでは、日本語の部分だけ別の書体に置き換わり、見た目がそろわないことがあります。ほかの人のパソコンで発表する場合は、事前に表示を確認しておきましょう。
- 文ではなく短い言葉でまとめる。「売上の推移」のように、体言止めの短い表現にすると見やすくなります。
- 改行の位置に注意する。日本語には単語の区切りがないため、言葉の途中で改行されることがあります。必要に応じて手で改行しましょう。
- 表記をそろえる。数字の全角・半角、日付の書き方、句読点などを統一します。
- ネイティブに確認してもらう。大きなスクリーンでは、会話よりも小さな誤りが目立ちます。資料の事前共有については、海外パートナーとの会議の記事もご覧ください。
練習の方法
- まず原稿を全部書く。慣れてきたらメモだけにしていきます。読み間違えそうな漢字には、ふりがなを振っておきましょう。
- 声に出して録音する。長くてわかりにくい文があれば、短く区切ります。
- 時間を計る。第二言語で話すと、思ったより時間がかかることがよくあります。
- 始めと終わりは原稿なしで言えるように。出だしがうまくいくと緊張がほぐれます。
- 想定される質問を準備する。短い答えを前もって書いておくと安心です。
外国人の同僚の練習を手伝うときは、内容だけでなく「この言い方は少しかたすぎる」「ここはもっと丁寧に」といった、言葉づかいの感覚を伝えてあげると大きな助けになります。
ネイティブ講師と本番前のリハーサルを
いちばん効果的な練習は、質問をしてくれる聞き手の前で実際に発表してみることです。Hanabuddiesのネイティブ講師は、オンラインで通し練習を聞き、言い回しが自然で場面にふさわしい丁寧さになっているかを一緒に確認します。スライドの日本語のチェックや、質疑応答の模擬練習も可能です。受講者自身の発表に合わせたレッスンなので、練習がそのまま本番に生かせます。