日本のビジネスにおける贈り物と季節のあいさつ
贈り物や季節のあいさつは、日本のビジネスの関係づくりで長く大切にされてきました。初めての訪問での手土産、大切な取引先へのお中元やお歳暮、年賀状。どれも契約ではありませんが、契約の土台となる信頼を築く助けになります。この記事では、日本と取引をする海外の企業の方に向けて、こうした習慣と、最近の変化を紹介します。海外の取引先に日本の習慣を説明したい方にも役立つ内容です。
習慣は変わりつつある。まずは確認を
近年、ビジネスでの贈り物を減らしたり、コンプライアンスの観点から贈答の受け取りや送付をやめたりする日本企業が増えています。自社にも、贈り物や接待を制限する贈収賄防止のルールがあるかもしれません。何かを贈る前に、自社の方針を確認し、可能であれば日本側の担当者や、その取引先をよく知る同僚に一般的なやり方を聞いてみましょう。心のこもったメッセージはいつでも歓迎されますが、贈り物がいつも歓迎されるとは限りません。
訪問のときの手土産
取引先や提携先を訪問するとき、特に初めての訪問や久しぶりの訪問では、手土産を持っていくのが一般的です。選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 個包装のお菓子など、職場のみんなで分けやすいもの。
- 自分の国や地域のもの。会話のきっかけにもなります。
- 手ごろな価格で、きちんと包装されたもの。高価すぎる品物は、相手に気をつかわせてしまいます。
渡すときは両手で、ふつうは打ち合わせの最初か最後に、「心ばかりですが、皆様でどうぞ。」などと控えめに添えます。打ち合わせのマナーについては、日本のお客様と会うときのビジネスマナーの記事をご覧ください。
季節の贈り物:お中元とお歳暮
| 習慣 | 時期 | 意味 |
|---|---|---|
| お中元 | 夏。具体的な時期は地域によって異なります。 | 上半期にお世話になったことへのお礼。 |
| お歳暮 | 年末。ふつうは12月。 | 一年間お世話になったことへのお礼。 |
品物は、上質なコーヒーやお茶、お菓子、果物、ビールなど、食べ物や飲み物などの消えものが一般的です。日本の百貨店やオンラインショップでは贈答用のセットが用意されていて、きちんとした包装とのしをつけて届けてくれます。一度贈り始めると毎年続けることが期待されるのが一般的なので、始める前によく考えましょう。
年賀状と新年のあいさつ
新年は、あいさつのいちばん大切な時期です。昔から、企業は取引先に年賀状を送り、1月1日ごろに届くようにしてきました。今はメールに切り替えたり、年賀状自体をやめたりする企業も多いので、取引先のやり方に合わせましょう。
1月の仕事始めのころには、取引先に次のようにあいさつするのが一般的です。
- 新年あけましておめでとうございます。
- 旧年中は大変お世話になりました。
- 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
12月の終わりには、「本年も大変お世話になりました。よいお年をお迎えください。」と伝えます。年末年始の休業期間を取引先に知らせておくのも丁寧です。日本の多くの企業は、年末年始と夏のお盆の時期に数日間休業するので、海外の企業はその時期を考えて締め切りを設定するとよいでしょう。
避けたいこと
- 4個や9個のセット。「死」や「苦」を連想させる数字です。
- 賄賂のように見えるもの。現金、商品券、豪華すぎる品物など。
- 刃物などの切れるもの。「縁を切る」を連想する人もいます。
- 個人的すぎる品物。ビジネスの相手には向きません。
- 贈答を受け取らない会社に突然贈ること。わからないときは、先に確認しましょう。
贈り物を受け取ったら
贈り物を受け取ったら、「お心遣いありがとうございます。」と心をこめてお礼を伝えます。季節の贈り物には、届いたらすぐに短いお礼のメッセージやはがきを送るのが一般的です。高価なものを受け取る前には、自社のルールを確認しましょう。
季節のあいさつは、日本のビジネス文化を理解していることを示すよい機会です。海外の取引先に送る英語のメッセージや、日本の取引先に送る自然な日本語のあいさつ文が必要なときは、翻訳もお手伝いしています(翻訳を依頼する前のチェックリストもご覧ください)。基本のフレーズはビジネスメールの書き方の記事で紹介しています。