これ・それ・あれ:日本語の指示語(こそあど)の使い方
日本語の指示語は「これ・それ・あれ・どれ」のような言葉で、決まった形があります。こは話し手の近く、そは聞き手の近く、あはどちらからも遠いもの、どは「どれか」をたずねる形です。この形が分かれば、これ・それ・あれ・どれ(もの)、この・その・あの・どの(+名詞)、ここ・そこ・あそこ・どこ(場所)、こちら・そちら・あちら・どちら(方向・丁寧な言い方)の4つのセットがまとめて覚えられます。難しいのは、目の前にないものについて話すときの「そ」と「あ」の使い分けです。この記事は、日本語を学ぶ人に向けて指示語の使い方を解説するガイドです。
こそあど表
| 意味 | こ(話し手の近く) | そ(聞き手の近く) | あ(遠く) | ど(疑問) |
|---|---|---|---|---|
| もの(単独) | これ | それ | あれ | どれ |
| もの+名詞 | この本 | その本 | あの本 | どの本 |
| 場所 | ここ | そこ | あそこ | どこ |
| 方向・丁寧な言い方 | こちら | そちら | あちら | どちら |
| 種類 | こんな | そんな | あんな | どんな |
| 方法・様子 | こう | そう | ああ | どう |
「これ」と「この」:初級者に多い間違い
これ・それ・あれ・どれは単独で使います。この・その・あの・どのは、必ず後ろに名詞が来ます。「これは何ですか」と言いますが、「この傘はいくらですか」と言います。「このは」や「これ傘」はどちらも間違いです。指さしながら物の名前も言いたいときは「この」の形を使います。
丁寧な形:こちら・どちら
こちら・そちら・あちら・どちらは、ここ・どこより丁寧で、お店、ホテル、ビジネスの場でよく使われます。店員は「こちらへどうぞ」と案内します。人を紹介するときは「これは」ではなく「こちらは田中さんです」と言うほうがずっと丁寧です。「どちらからですか」は出身をたずねる丁寧な言い方です。ビジネスでは「そちら」が「御社」の意味になることもあります。タメ口と丁寧語もどうぞ。
目の前にないものの「そ」と「あ」
目の前にないものについて話すときは、相手と共有している知識によって使い分けます。
- お互いに知っているものは「あ」:「あの店、また行きたいね」。会話で「あれ」を使うと、共通の思い出を指していることになります。
- 今話に出たもの、片方だけが知っているものは「そ」:「昨日、新しいカフェに行きました。そのカフェは…」。相手はそのカフェに行ったことがないので、「あの」だと不自然です。
学習者は話の中で「あの」を使いすぎることがよくあります。相手がまだ知らないものなら「その」を使いましょう。
こそあどを使った日常表現
- 「そうですね」:日本語で最もよく使われる表現のひとつ(同意や考え中の合図)。
- 「どうですか」「どうしましたか」。
- 「こんにちは」「こんばんは」にも「こ(今日、今晩)」が入っています。
- 「あのう…」:丁寧に声をかけるとき。
- 「どうぞ」「どうも」。
- 「そんなことないです」:ほめられたときの謙遜の返事。
練習のしかた
部屋の中の物を指さして、パートナーや講師と「これ」「それ」「あれ」を声に出して言い、次に「この+名詞」に変えてみましょう。お店での頼み方として「これをください」「あれは何ですか」「トイレはどこですか」も練習します。これらの言葉が入る文については日本での買い物や助詞の解説もどうぞ。
Hanabuddiesのサポート
ネイティブの日本語講師が、オンラインのマンツーマンで、英語で説明しながらレッスンをします。指示語は表で読むと簡単ですが、実際の会話、特に話の中の「そ」と「あ」は難しいものです。レッスンでは身の回りの物、ロールプレイ、ご自身のエピソードを使って練習し、講師がその場で直すので、正しい言葉が自然に出るようになります。