日本のお客様向けマーケティング:海外パートナーに伝えたい違い
海外のブランドや製品を日本で展開するとき、本国でうまくいった広告やキャンペーンが、そのままでは日本のお客様に響かないことがよくあります。海外の本社やパートナーと一緒に進めるときに、共有しておきたい日本市場の特徴をまとめました。
まず信頼、それから購入
日本のお客様は、知らないブランドに対して慎重で、購入前にじっくり調べる傾向があります。大げさな宣伝文句や「残り時間わずか」といったあおる表現は、かえって不信感につながりがちです。海外のパートナーには、次のような「安心材料」が重視されることを伝えておきましょう。
- 創業からの年数や、すでに利用している企業・お客様。
- 仕様、成分、サイズ、セット内容などの具体的な情報。
- 配送、返品、アフターサポートについての、日本語でのわかりやすい説明。
- 日本のメディア掲載や、取引のある販売店・パートナー。
海外では「情報は少ないほうがすっきりする」と考えられることもありますが、日本では詳しい説明が信頼につながります。チラシや商品ページ、パッケージの情報量について、本国の担当者と認識をすり合わせておくと、後の手戻りが減ります。
口コミとレビューの重み
日本では、ほかのお客様の評価が購入の決め手になることが少なくありません。通販サイトや比較サイト、SNSのレビューがよく読まれ、自社サイトに「お客様の声」を載せる企業も多くあります。「人気ランキング」「売れ筋」といった見せ方も一般的です。最初のお客様に率直なレビューをお願いし、厳しい意見にも丁寧に返信すること、そして自作や対価を払ったやらせレビューは決して使わないことを、チーム全体で共有しておきましょう。
チャネルはお客様が使っているものを選ぶ
日本でよく使われるプラットフォームの組み合わせは、ほかの国とは異なります。本国のやり方をそのまま当てはめず、日本の状況を説明できるようにしておきましょう。
- LINEは日常的に使われているメッセージアプリで、多くの企業が公式アカウントを開設し、友だち登録してくれた人にお知らせやクーポン、予約のリマインドを送っています。海外ではあまり知られていないこともあるので、最初に説明が必要になりがちです。
- X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeも広く使われており、どれが適しているかはターゲットと商材によって変わります。
- メールマガジン、検索、店頭での販促も、年配のお客様や法人のお客様には今も重要です。
各プラットフォームの機能や利用状況は変化が早いため、実際のターゲット層が何を使っているかを確認してから、力を入れる場所を決めましょう。
トーンと丁寧さ
日本の企業のコミュニケーションは、丁寧で温かく、控えめなのが一般的です。英語のキャッチコピーを直訳すると、くだけすぎたり、自慢げに聞こえたりして、信頼を損ねることがあります。
- お客様向けの文章は、基本的に「です・ます」調で書きます。
- 「いつもご利用いただきありがとうございます」のような感謝や気づかいの言葉がよく使われます。
- 表現は正確かつ慎重に。日本には不当表示や景品(懸賞・プレゼント企画)に関するルールがあるため、海外で一般的な表現や懸賞の仕組みも、日本の専門家に確認しましょう。
- イラストやキャラクターは、大企業や自治体でも広く使われています。海外の担当者には意外に映ることもありますが、親しみやすさを伝える有効な手段です。
日本のカレンダーで計画する
季節のキャンペーンは日本の小売の大きな柱ですが、本国の季節やイベントとは時期がずれることがあります。年間計画を立てる段階で、パートナーと共有しておきましょう。
| 時期 | イベント | よくある販促 |
|---|---|---|
| 1月上旬 | お正月 | 初売り、福袋 |
| 2月〜3月 | バレンタインデー、ホワイトデー | チョコレートやギフト。2月14日に女性から贈り、3月14日にお返しをする習慣があります |
| 3月〜4月 | 新年度・新学期 | 新生活応援キャンペーン、桜をテーマにした商品 |
| 夏 | お中元 | ギフトセット、夏季限定商品 |
| 秋 | 秋の味覚・紅葉 | 栗、さつまいも、紅葉などをテーマにした季節商品 |
| 12月 | お歳暮、クリスマス | ギフトセット、クリスマスケーキ、カップル向けの企画 |
「季節限定」「期間限定」の商品は、お菓子から化粧品まで幅広い分野で人気です。海外の本社に、限定品を出す意味を説明する場面もあるかもしれません。
コピーは日本向けに書き起こす
スローガンやキャッチコピーは、翻訳するとたいてい力を失います。短く印象的な英語のフレーズも、日本語にすると長くなったり、平板になったり、不自然になったりしがちです。見出しは「翻訳」ではなく新しく書くものと考え、その理由を本国の担当者にも伝えておきましょう。ブランド名や商品名のカタカナ表記を統一し、写真のモデルや背景が日本のお客様にとって自然かどうかも確認します。
言葉の橋渡しを確かなものに
日本向けのマーケティングを成功させるには、ブランドの考え方とお客様の感覚の両方をつなぐ言葉が欠かせません。Hanabuddiesでは、日本語ネイティブのチームが、キャンペーンのコピーや商品説明、SNS投稿の日英翻訳・ローカライズ、日本市場向けのウェブサイト制作をお手伝いしています。海外パートナーとのやり取りに使う資料の翻訳も、お気軽にご相談ください。