継承語として日本語を学ぶ人のためのレッスン
継承語学習者とは、親や祖父母から家庭で日本語を聞いて育ちながら、主に別の言語で育った人のことです。話せる以上に聞き取れる、くだけた会話はできても丁寧な場面で固まってしまう、おしゃべりはできるけれど読めない、という人が多くいます。一般的な初心者コースはゼロから始まるため、ある分野では遅すぎ、別の分野では速すぎて、なかなか合いません。実際の得意・不得意に合わせたレッスンのほうがずっと効果的です。多くの場合、読み書きと敬語を中心に、話すことへの自信を育てていきます。この記事では、ご自身が学ぶ場合と、お子さんに学ばせる場合の両方について、取り組み方を紹介します。
継承語学習者によく見られる特徴
| 得意なことが多い | 苦手なことが多い |
|---|---|
| 聞き取り、特に家族の話 | 漢字の読み書き |
| 自然な発音やイントネーション | 敬語や、初対面の人・先生・年上の人への丁寧な話し方 |
| 食べ物、家族、家事など家庭の語彙 | 学校、仕事、ニュース、抽象的な話題の語彙 |
| くだけた話し言葉や方言の理解 | 文法の説明や、なぜ「変に聞こえる」のかの理解 |
家庭によって状況はさまざまで、逆のタイプの人もいます。補習授業校に通って読むのは得意でも、家ではあまり話さなかったという人です。良い講師は、まずどのタイプかを見極めることから始めます。
一般的なコースがもどかしい理由
- 初心者クラスでは、何も考えずに言えることに何週間も費やす。
- 中級クラスでは、話せる言葉の漢字は読めるものとして進む。
- 家族の自然な話し方が、教科書どおりのコースでは「間違い」とされることがある。
- 日本の名前を持っているのにクラスで苦労するのは、気恥ずかしく感じることもある。
継承語学習者向けレッスンの内容
- 会話によるレベルチェック:実力とは関係のない理由で点が取れない筆記テストではなく、会話を通じて今できることを把握します。
- 読み書きと漢字:すでに耳で知っている言葉と結びつけるので、ずっと早く覚えられます。日本語の読書の始め方もご覧ください。
- 丁寧な日本語:祖父母の知人と話すとき、日系企業で働くとき、日本のお店や役所など、継承語話者が不安を感じやすい場面を練習します。タメ口と丁寧語の違いも参考にしてください。
- 大人の語彙:仕事、政治、健康、自分の専門分野など、家庭では話さなかった話題の言葉を増やします。
- たっぷり話す:間違えても大丈夫な場で、たくさん話します。
よくある目標
- 祖父母や親戚ときちんと話す:基本的なやりとり以上の会話を目指します。今、年配の親戚との通話が難しい場合は、それまでの間家族との通話の通訳を利用する方法もあります。
- 就職や大学のためにJLPTに合格する:継承語学習者は聴解が得意なことが多く、読解と文法に重点を置く必要があります。JLPTのレベル解説をご覧ください。
- 学校の試験:AP、IB、GCSEなどの日本語試験です。高校の日本語試験対策で紹介しています。
- 日本や日系企業で働く:敬語とビジネスの語彙が必要です。仕事で使う敬語の基本をご覧ください。
- 自分のルーツとのつながり:何とかやりとりできるだけでなく、日本語の中で自然体でいられるようになること。
日本語を話す子どもを育てている保護者の方へ
- 日本語を宿題だけでなく、楽しいものに:絵本、ゲーム、歌、アニメ、一緒に料理をすることなど。
- 家庭の言葉を守る:子どもが学校に通い始めると、現地の言葉が強くなりがちです。完璧な文法より、家庭で日本語を使う時間を定期的に持つことが大切です。
- ほかの日本語の声を増やす:片方の親からしか日本語を聞かない子どもは、日本語を「お母さんの言葉」「お父さんの言葉」と捉えがちです。講師、ビデオ通話での親戚、日本語を話す友人がいると、日本語がより広い、生きた言葉になります。
- 言葉が混ざるのは自然なこと:文の途中で言語が切り替わるのは、バイリンガルの子どもによくある段階で、失敗のサインではありません。
保護者の方は、無料相談でお子さんの年齢、レベル、目標をお知らせください。オンラインレッスンが合うかどうか、率直にお伝えします。