日本で働く研究者・大学教員のための日本語
日本で働く外国人研究者の多くは研究そのものを英語で行っていますが、その周りのことには日本語が必要です。大学の事務手続き、研究室での生活、安全に関するルール、研究費や人事の書類、日本人学生とのゼミ、そしてキャンパスの外での生活です。ポスドクや客員研究員の現実的な目標は、日常会話レベルの日本語と、書類やお知らせの重要な言葉が読めることです。長く日本で働く予定の教員は、委員会業務、授業、学科の会議が日本語で行われることも多いため、さらに多くの日本語が必要になります。この記事では、何をどの順番で学ぶか、研究と両立させる方法を紹介します。
研究者が日本語に出会う場面
| 場面 | 必要な日本語の量 |
|---|---|
| 自分の研究と論文 | 通常は不要。国際的な論文は英語で発表します。 |
| 研究室での生活 | 毎日のあいさつ、研究室のルール、安全に関する掲示、物品の注文、英語を話すのに遠慮しがちな学生との会話。 |
| 大学の事務 | 契約、経費精算、出張報告、学内システムは、一部英語に対応していても日本語中心のことが多くあります。 |
| ゼミや学科の会議 | 学科によって異なります。日英混在や、すべて日本語のことも多くあります。 |
| 授業と指導 | プログラムによります。英語で行う授業は増えていますが、日本語ができると学生をサポートしやすくなります。 |
| 委員会や教員としての業務 | 特に常勤の教員の場合、日本語で行われることが多くあります。 |
| 研究室の外での生活 | 住まい、役所、子どもの学校、病院。日本で暮らすにはどのくらい日本語が必要?をご覧ください。 |
最初に学ぶべきこと
- かなとサバイバル日本語:到着前に身につけておくと、最初の数週間の手続きや生活の立ち上げが楽になります。日本に引っ越して最初の1か月のチェックリストをご覧ください。
- 研究室での自己紹介:初日には、研究室のミーティングなどで自己紹介をすることがよくあります。日本語での短く丁寧な自己紹介は、良い第一印象につながります。日本語での自己紹介をご覧ください。
- 研究室の語彙と掲示:実験、試薬、廃液、安全講習、締切、申請、精算など。
- 職場のマナー:教授、助教、学生の間の上下関係、研究室の秘書さんへの頼み方、報告・相談の習慣など。日本の職場文化をご覧ください。
- 日本語でのメールとチャット:事務の方は、簡単な日本語でも喜んでくれます。日本語のビジネスメールをご覧ください。
研究室の文化で驚くこと
- 学生が英語で話したがらないことがある:話せないからではなく、間違いを気にしているからです。あなたが少し日本語を話すと、打ち解けるきっかけになります。
- 研究室のミーティングがかしこまっている:研究室によっては、報告の形式や発言の順番が決まっています。
- 秘書さんが中心的な存在:研究室や学科の秘書さんが事務の多くを担っていて、良い関係を築くと生活がずっと楽になります。
- 忘年会や歓迎会:研究室生活の一部で、仲良くなる良い機会です。
研究と両立させる学び方
実験が長引いたり、締め切りや学会出張があったりと、研究者のスケジュールは予測できません。多くの研究者に合うのは、決まったクラスではなく、短く柔軟なレッスンです。好きな時間にオンラインで週2回、研究室での発表、事務との打ち合わせ、子どもの学校からのお便りなど、次に必要なことに絞って学びます。教職員向けに無料の日本語クラスを開いている大学もあり、基礎を学ぶには参加する価値があります。そのうえで、会話練習や自分の書類など、クラスでは対応しきれない部分をマンツーマンレッスンで補うとよいでしょう。常勤のポストに必要となる高いレベルについては、日本での仕事に必要な日本語レベルをご覧ください。