日本人パートナーのために日本語を学ぶ:最初に学ぶことと二人での練習法
パートナーが日本人の場合、日本語を学ぶ目的は試験に合格することよりも、相手の人生全体に加わることにあります。通訳なしで相手の家族と話すこと、冗談がわかること、日本語のときにだけ見える相手の一面に触れること。いちばん効果的なのは、まず丁寧な日常の日本語から学び、パートナーとは堅苦しい授業ではなく短く気楽な形で練習し、体系的な学習はほかの場所で進めて、二人の関係が教室にならないようにすることです。この記事は、日本人のパートナーのために日本語を学ぶ方と、その学びを応援したい日本人パートナーの方に向けた内容です。
学ぶ価値がある理由
- 相手の家族:ご両親や祖父母は英語をあまり話さないこともあります。簡単な会話でも自分で話せると、距離の感じ方が大きく変わります。
- 毎日の生活:日本に住んでいる、またはよく訪れるなら、病院、郵便、電話などを毎回パートナーに頼らずに済むかどうかは日本語次第です。
- 相手の文化:子どものころに見ていたテレビ、歌、家族の口ぐせ、昔の友だちとの話し方。その人らしさの多くは母語の中にあります。
- バランス:どちらか一方がいつも第二言語で話していると、その人は疲れてしまいます。お互いに歩み寄ることが助けになります。
カップルで教え合うとうまくいかないことが多い理由
ネイティブスピーカーと一緒に暮らしているのだから、レッスンは必要ないのでは、と思うかもしれません。ところが実際には、長続きしないカップルが少なくありません。よくある理由は次のとおりです。
- ネイティブだからといって教えられるわけではない:おかしいことはわかっても、なぜおかしいのか、どの形から覚えるべきかを説明するのは難しいものです。
- 訂正が個人的に感じられる:先生に直されるのは平気でも、毎晩パートナーに直されると、どちらにとっても批判のように感じられてきます。
- 結局英語に戻る:疲れているときや急いで話をまとめたいときは、通じる言葉に戻ってしまいます。自然なことですが、練習はいつの間にか消えていきます。
- 根気が続かない:同じ助詞を5回説明するのは、仕事でなければなかなか大変です。
パートナーが手伝えないということではありません。いちばん向いている役割は、先生ではなく、会話の相手であり応援団だということです。
最初に学ぶこと
- ひらがな・カタカナ:メッセージ、メニュー、家族のメモが読めるようになります。ひらがな・カタカナの覚え方もご覧ください。
- 丁寧な日常会話:自己紹介、一日の出来事、食べ物、仕事、予定などを、です・ます調で話す力。
- 家族に関する言葉:パートナーのご両親や親戚について話すとき、また直接話しかけるときの言葉は、自分の家族について話すときとは違います。
- 聞く力:家族の会話は速く、言葉が重なり、省略も多いもの。聞く練習は思った以上に役立ちます。
初めて家族に会う予定がある方は、その日のフレーズ、手土産、マナーをまとめた日本人パートナーの家族に会うときの記事をご覧ください。この記事では、その先の長い道のりについて考えます。
二人の間の日本語と丁寧な日本語
パートナーだけから日本語を学ぶことには、見落としがちな落とし穴があります。恋人や夫婦の間で使う日本語は、くだけていて親密で、その二人ならではのものが多いからです。ニックネーム、短縮した言葉、方言、ときには性別によって使い方が偏る話し方もあります。家ではぴったりでも、相手のご両親、職場の人、お店の人に使うと、不自然に聞こえたり、なれなれしく聞こえたりすることがあります。
| 家でパートナーと | 相手のご両親や、あまり親しくない人と |
|---|---|
| これ、おいしい! | これ、とてもおいしいです。 |
| ちょっと待って | ちょっと待ってください。 |
| わかった | わかりました。 |
| 疲れた〜 | ちょっと疲れました。 |
おすすめの順番は、まず丁寧な形を学び、くだけた話し方は家で自然に身につけることです。丁寧な日本語をくずすのは簡単ですが、あとからくだけた日本語を整えるのは大変です。二つの話し方の関係は、丁寧語とタメ口の使い分けの記事で解説しています。
「授業」にしない一緒の練習法
- 一日中ではなく、時間を決める:「週末は日本語の日」より、「朝ごはんのときだけ」「帰宅後の10分だけ」のほうが続きます。
- 訂正のルールを決める:間違いはすべて直してほしい人もいれば、聞いたときだけ教えてほしい人もいます。二人で決めて、合わなければ変えましょう。
- 生活の中で使う:買い物リストを日本語で書く、短いメッセージを日本語で送る、家族のグループチャットを一緒に読む。
- 相手が子どものころに好きだった作品を見る:聞き取りの練習になるうえ、相手の子ども時代を知るきっかけにもなります。アニメやドラマで日本語を学ぶの記事もご覧ください。
- 相手のことは相手に教えてもらう:相手の家族ならどう言うか、地元の方言では何と言うか、お母さんの口ぐせは何か。教科書には載っていない知識です。
講師が役立つとき
講師がいれば、教える役目をパートナーが背負わずに済みます。文法をわかりやすく説明し、学習の計画を立て、個人的に感じさせずに間違いを直してくれます。さらに、相手のご両親との電話、結婚式でのスピーチ、家族と過ごすお正月、いつか子どもが通う学校とのやりとりなど、具体的な場面に向けた準備もできます(日本で子育てをする保護者のための日本語もご覧ください)。そしてレッスンで学んだことを家に持ち帰れます。習ったことをパートナーと一緒に試すのは楽しいものですが、ゼロからパートナーに教わるのは、なかなかそうはいきません。
気軽に会話できるレベルまでの目安は日本語の習得にかかる期間、自分に合う講師の探し方は日本語講師の選び方の記事をご覧ください。準備ができたら、ネイティブ講師とのマンツーマンレッスンを、住んでいる国の時差に合わせて、二人の予定に組み込むことができます。