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JLPTの模擬試験の使い方:公式教材、本番形式の練習と採点のしくみ

JLPTの模擬試験として最も信頼できるのは、公式の教材です。JLPT公式サイトには全レベルの問題例が無料で公開されており、主催者である国際交流基金と日本国際教育支援協会(JEES)からは公式問題集も出ています。量を補うには市販の模擬試験の本が役立ちます。最初に1回解いて弱点を見つけ、試験の2〜3か月前からは本番と同じ条件で通して解き、解く時間よりも見直しに時間をかけること。この記事では、それぞれのステップのコツを紹介します。学習者を指導・サポートする方にも参考にしていただける内容です。

公式の練習教材

  • 問題例:JLPT公式サイトでは、レベルごとの問題例が聴解の音声つきで無料公開されています。すべての問題形式を確認でき、自分に合うレベルを判断するのにもいちばん手軽な方法です。
  • 公式問題集:主催者が発行している「日本語能力試験 公式問題集」には、本試験と同じ方法で作られた、各レベルの試験1回分にあたる問題が収録されています。これまでに複数の巻が出ています。最新の版や新しい公式教材、各国での入手方法は、公式サイトで確認してください。

公式の教材は数が限られているので、大切に使いましょう。問題例は早めに解き、公式問題集の少なくとも1回分は、試験の数週間前の「本番リハーサル」用に取っておくのがおすすめです。

市販の模擬試験の本

日本では、JLPT対策の本がたくさん出版されています。主な種類は次のとおりです。

  • 模擬試験集:1つのレベルの模擬試験が数回分収録されたもの。たいてい音声と解説がついています。
  • 分野別のドリル:聴解や文法など1つの分野に絞り、問題形式ごとに練習できるもの。
  • 練習問題つきの対策シリーズ:各章の終わりに練習問題があり、学習と確認を同時に進められるもの。

本によって質はさまざまです。実際の試験より難しいものも易しいものもあり、出題形式が公式と少しずれていることもあります。購入前に、公式の問題例と数ページ見比べてみましょう。初級レベルでは、英語や母語の解説がある本が特に役立ちます。

模擬試験を始めるタイミング

時期やること
学習の始め公式の問題例か、模擬試験を1回分解いて、今のレベルといちばん弱い科目を確認します。点数は気にしなくてかまいません。
学習の中盤問題形式や科目ごとに練習します。最初は時間を気にせず、慣れてきたら時間を計って解きます。
試験の2〜3か月前1〜2週間に1回、本番と同じ条件で模擬試験を通して解き、毎回しっかり見直します。
試験の3〜4週間前取っておいた公式問題集でリハーサルをします。結果をもとに、残りの期間で仕上げる内容を決めます。
最後の1週間間違いノートを軽く見直す程度にします。前日に新しい模擬試験を通して解くのは避けましょう。

レベル別の学習計画の中での位置づけは、N5、N4、N2、N1の学習プランをご覧ください。

本番と同じ条件で解く方法

  1. 一度に通して解く。できれば、本番の試験が始まる時間帯に合わせましょう。
  2. 公式の試験時間を守る。科目ごとに時間を計り、本番と同じように科目の間に短い休憩を入れます。
  3. 鉛筆と解答用紙を使う。マークシートに答えを写すのにも時間がかかり、行をずらしてマークしてしまう危険もあります。
  4. 聴解の音声は止めずに1回だけ流す。本番では聞き直すことはできません。
  5. 辞書もスマートフォンも使わない。当てずっぽうで答えた問題には小さな印をつけておき、後で見直します。

科目ごとの時間配分については、JLPT試験当日のコツで紹介しています。

間違いの見直し方

模擬試験の価値は、その後の見直しで決まります。間違えた問題と、たまたま当たった問題をすべて見直し、次のように分類しましょう。

  • 知らなかった:単語、漢字、文型。試験に出た文と一緒に単語カードに追加します。
  • 知っていたのに読み違えた:「正しくないもの」を選ぶ問題だった、否定を見落とした、など。設問をゆっくり読むようにします。
  • 時間が足りなかった:どの部分で時間を使いすぎたかを記録します。JLPT読解の対策とコツも参考にしてください。
  • 聴解でついていけなくなった:スクリプトを見ながらもう一度聞き、どこでわからなくなったかを正確に見つけます。JLPT聴解のコツもご覧ください。
  • うっかりミス:マークする行がずれていた、最初に選んだ正解を変えてしまった、など。

簡単な「間違いノート」をつけておくと、2〜3回分の模擬試験で傾向がはっきり見えてきます。それが次に勉強すべき内容です。文法の間違いが多い方は、JLPT文法の覚え方と対策も参考にしてください。

JLPTの採点のしくみ

JLPTの結果は、正解した問題の数をそのまま点数にしたものではなく、尺度得点で表されます。試験の回が違っても結果を比べられるように得点が調整されるため、同じ数だけ正解しても、いつも同じ点数になるとは限りません。模擬試験の正答率が、あくまでおおよその目安にしかならないのはこのためです。

  • 得点区分:N1・N2・N3では「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」がそれぞれ別に採点されます。N4・N5では「言語知識・読解」がまとめて採点され、「聴解」は別です。
  • 2つの基準:合格するには、総合得点が合格点以上であることに加えて、すべての得点区分で基準点以上を取る必要があります。総合得点が高くても、極端に低い区分があると不合格になります。
  • 具体的な点数:合格点や基準点はJLPT公式サイトで公開されています。本やインターネット上の情報ではなく、公式サイトで自分のレベルの数字を確認してください。

実践的には、模擬試験では合格ぎりぎりではなく余裕のある点数を目標にし、ほかより大きく遅れている区分がないようにしておくことが大切です。

よくある質問

過去問は手に入りますか?

本試験と同じ方法で作られている公式問題集が、最も近い教材です。現在公開・発行されている教材は、JLPT公式サイトで確認してください。

模擬試験は何回分解けばいいですか?

回数より質が大切です。続けざまにたくさん解くより、数回分をていねいに見直すほうが効果的なことがほとんどです。

模擬試験の点数が伸びなくなりました。どうすればいいですか?

しばらく模擬試験はお休みして、間違いノートで最も多い分類の対策に集中しましょう。知識が足りない部分は、問題を解く回数を増やしてもなかなか埋まりません。

講師と一緒に模擬試験を見直すと、どこで点を落としているのかが早くわかります。ネイティブの講師なら、まぎらわしい選択肢がなぜ違うのかを説明し、模擬試験の結果をもとにこれからの数週間の計画を立てられます。詳しくはJLPT対策レッスン、またはオンライン日本語レッスンのページをご覧ください。